ゲーテの「ファウスト」を読了。
これまた有名過ぎるぐらいの古典でしょう。
これを手に取った理由はその事と、悪魔に惹かれたから、と、
エロゲー的展開 への期待。
だって、仕方が無いじゃん。
読む前の前知識では、ファウストがメフィストに魂売って、
この世全ての快楽を体験、そして死ぬ、
とばかり思っていたんだもん。
とまぁ、そんな事はさて置き。
「ファウスト」ってのは、ゲーテが作った物じゃなく、
地にある伝説、伝承、みたいな物で、多くの作家がインスパイアしてたとか。
ゲーテもそれに習って書いたわけだが、伝説とは大分異なり、
ゲーテ自身の生涯を元にしたような、影響色濃い内容になっている。
シェイクスピアの200年後の人物だけあって、
時代背景はだいぶ馴染みやすいし、理解しやすい。
ただ、主人公が知識欲・探求欲のあまり頭とち狂ってる感で、
しかも魔術だの神話だのが入り乱れるので、何がなんだか分からない。
さらには、話の進み方がとんでもない。
作中、ファウストがメフィストの計らいで若返り、若い恋人を作るのだが、
それがいつの間にかに恋人関係になっていてで、
はたまた、いつの間にか相手が妊娠していたり、
段落が変わる毎にとんでもなく時間が経過していて、
最後には、いつの間にか出産、いつの間にか○○、いつの間にか△△、となっていく。
何でそんな大事な所を端折るのよ、と。
風景描写だの、脇役からのシツコイまでの状況解説だの、
目の前に広がる幻想を持てる語彙が尽きるまで誉めそやしたりだの、
んな事してる場合かよ、と。
で、件のエロゲ的展開だが。
全く無い。 というか、そもそも、契約は快楽が目的じゃなかった。
知識欲を満足させる面白い世界を見せてやる、という内容。
もし、悪魔ごときが見せる世界に満足し心惹かれ、浸りたいと思ったその時、
己の魂はくれてやるよ、という、学者先生らしい矜持だ。
結末がどうなるのかは、ご自身で読んで確かめてみると良い。
私の見解は、「はぁ、それが何? どういう事?」である。
何でそんな事になるのよ、と。 ちょっ、おま、空気嫁、って感じ。
だいたい、メフィストフェレスは、てっきり虎視眈々と垂らし込むのだと思っていたら。
ほとんどメフィストも主人公で、一緒に世界見聞とか冒険的な事してて。
何と言うか拍子抜けというか。 悪魔悪魔してないというか。
てめぇの話はどうでも良いっつうの、と突っ込まずにはいられない。
勿論、ファウストの長い口上、妖精だの神だのの歌声だのも、十分要らない。
結局の所、シェイクスピアもゲーテも、文学なんだろうな、と。
完全右脳人間の私としては、1ミリも理解できない。 ウザったいだけ。
読んだという知識はあっても困らないけど、けして好んで得ようとは思わない。
以後、古典は遠ざかろうかと。
さてさて、こうしてまた古典のアラマシを知ったわけで。
だと、どの作品がオマージュ・インスパイアしてるか、と見えるわけで。
あぁ、その前に、この「ファウスト」もシェイクスピアを引用している。
まったく、シェイクスピアを先に読んでおいて良かったよ。
例え話が尚更分からなくなる所だった。
で、まず思いついたのが、「シャドウハーツ2」。
両者のネタバレになるけど、
まず、悪魔との契約という点。 まぁ、多々あるモチーフではあるが。
1st ヒロイン:純ヒロイン、と、2nd ヒロイン:あり得ないはずのヒロイン、が登場する点。
それだけに止まらず、辿る末路、エンディングまで似通っている。
2のGood Endは、まさに「ファウスト」の結末である。
2が、というより、2の中の1の部分、というが正解か。
細かい事情はそれぞれご自身で。
あと、何となくだけど、ふと思ったのが、「あしたの、喜多善男」。
ドラマ見てる人は、何となく感じてくれるんではないか。
出会った人の助力で最後の日々を楽しく、あるいは激しく過ごす。
主人公に対してヒロインが2人いる点とか、彼の生命に関して奪い合う点とか。
そして私見だけど、これまでの展開から見て、最後にあのファウストのセリフが出て…?
とか思ってる。 エンディングの演出からして、そういう事じゃないのか。
まぁ、兎も角、こういう作品をパクるのは格好良いけど、
オリジナルのほうは、大して面白くない、って事。
現代人は現代人らしく。 うん、かなり良い事言った。