だからさ、あれ
どれだよ
あれあれ、ジャケットで、こういう、やる感じの
郷ひろみ?
違う違う、あれは上から下じゃん、これ、左から右に
受け流す?
いや、違うしそれ逆、じゃなく違うけど、こう、流すやつ
流すんだ
いや、流すけどそれ違くて、こう、流す、だから流すじゃなくてこう、なんていうの?
聞くなよ
だからこう、ばさぁっと、いや、ごぉっ、って感じの
ひろみ?
だからひろみ違くて、こう…
誰?
誰? 誰って、誰だよ
いないの?
いや、いないわけじゃなく、いや、いっぱいいるんだけど
いるじゃん
いるんだけど、い過ぎて、ってか皆やってる
ひろみ?
いや、だからひろみは違くて、ひろみやってなくて
皆じゃないじゃん
いや、皆って言っても本当に皆じゃなくて、こう、頭の中にいる皆では皆
誰だよ
誰、誰だ、こいつ誰?
聞くなよ
あのほら、漫画の今週の最後のページの最終コマで主人公あたりがこう、横に
進む道が決まった的な?
そう、それ
学ランもあり?
あり、すごくあり
凪?
ああ、ああっ、ぽいね、ぽいぽい
ジャケットは?
いや、学ランの方向で
どっちだよ
学ラン
ひろみは
いや、学ランじゃないし
頭の皆も学ラン?
いや、皆違うけど、学ランはありの方向
ジャケット誰
いや、誰とか言われても
自分で言ったじゃん
ジャケット誰言ってないし
……
……
ジャケットいなくね?
んじゃ、いない方向で
っていう意味不明な事も書いてみたくなるお年頃。
劇中、言ってる事は理解できたでしょうか。 表現できません。
作家は文章のプロなので、「言葉では表現できない」と書いてはならないわけですが。
表現できない事を表現するにはどうしたら良いか、と考えて。
登場人物も読んでる人も一緒に悩めば問題なくね? って結論。
つまり、表現できなさ具合をもどかしくつづってみたわけですよ、はい。
劇中でも言ってますが、ジャケット的な羽織ってる物を片手でバサッとやるヤツ。
どこをどう掴み、どう脱いだらあぁできるのかはわかりませんが、横にバサッと。
登場人物の台詞は、表現できないもどかしさ、を伝えるために変に柔らかく、軟らかく。
シュール? いや、あんた、シュールの日本語の意味知ってるのか、と。
頭の上にタクアン載ってるのをシュールっていうんだよ。
いや確かに、笑いをとる方法とは思えない、という意味でシュールではあるが。
しかしこれは笑いが狙いじゃないし、表現する合理的な方法だし。
まったくシュールでない。 んじゃ何か。
新しいスタンダードさっ!
失礼しました。