新海誠の映画「秒速5センチメートル」を見てきた。
私と一緒に見に行く予定だった友人はネタバレ注意ね。
ゼミが6時に終わったので、最後の夜の上映。
家に晩飯は遅くなる、と連絡をいれ、、数時間余ってるので、まずゲーセンへ。
何かもう、全然上手くなれないGGXX。
まだ余ってるので本屋へ。
一通り見て回って、特に欲しい物がなかった。
映画館への距離を考えて、早めに行ったほうが良いかな、と本屋を出て。
それでもゆっくりと歩いて行ったのだけれど、だいぶ早く着いてしまった。
近くの自販機でココアを買い、ビルの入り口の階段に腰を下ろして飲む。
タクシーで帰宅途中だろうサラリーマンから、痛い程視線を浴びたが、
逆に、突き抜けるほど見つめ返してやって気まずさを演出してみる。
それでもまだちょっと時間が余っていたので、今度は映画館の傍で煙草を2本。
10分ぐらい、ぼうっとしていて、周りを見ると結構飲み屋がある事に気付く。
今度友人と来た時は、ここら辺に足をのばすのも良いかな、なんて考えて。
「びょうそく…、5せんちめーとる? 学生1枚」と、学生証と会員証を提示。
人より長く、また長い人の中でも真っ当な理由でまだ学生だなー、と思わないでもない。
最近お気に入りの映画の席は、中段の端っこ。
混んでいても空いてるし、何より肘掛が絶対確保できるのが良い。
スクリーンは無駄なくらい大きいから、数メートルの30°でも問題は意外なほど無い。
連作短編アニメーション、第一話「桜花抄」。
これは既にネット上で公開されていた時期があって、それを見ていた。
新海誠らしい話で、無駄なくらい酷さ満開、サクラ満開。
ネット上で見てた時も思ったけど、こんなエロゲーあったなぁ、なんて。
しかし、この発想は後々痛い目を見る事になる。
連作短編アニメーション、第二話「コスモナウト」。
主人公が変わる。 変わる、よね。 変わってるはず。
何か、ジブリアニメかと思うような世界感。
第一話の続きだけど、アレは続いてませんよ、って事が暗に示される分かり難い話。
ただしそれは、進むべきどこかへのヒントでもあるのかもしれない。
連作短編アニメーション、第三話「秒速5センチメートル」。
表題作。 果たして表題作と言えるのかどうか怪しい最終話。
公式サイトのフォトギャラリー、第三話の所の説明を読むとオチが分かる。
そうそう、あのエロゲーもこんな話だったなぁ、って、えぇっ!?
みたいな、感じを受けていたのは私だけだろうか。
ほしのこえ、から雲の向こう、と同様な変なエンディングを迎えます。
秒速5センチメートル、というのは速度なわけで。
速度という事は時間と距離があるわけで。 そんな話です。
さらには、移動しているという事は目的地があります。
その目的地が私の想像していた物と乖離した場所であった事は記しておきましょう。
第一話は、秒速5センチメートルを雪と電車に例えます。
第二話は、秒速5センチメートルをシャトルに、
自分自身をコスモナウト(宇宙飛行士)に例えます。
第三話は、ダイレクトに秒速5センチメートルです。
秒速5センチメートルって、時速180メートルだね。 遅いね。
1000通のメールで心の距離が1cmなら。
次の1000通でどれかで縮まるかを統計としてみて。
また、力学的に収束性を考慮して、まだまだメールを続けるべきだと数学的に思った。
私が監督なら、サスペンス映画にしますね。
主人公をエンディングで半端な悪役にしたてます。
むしろ、あの最終話を持ってくるなら、第一話か二話、逆の方向に持っていくべきだよ。
もしくは、最終話をちょっとずらす、とかさ。 あんま、分かりやすくなかったよ。
逆に、森見登美彦の「新釈・走れメロス」第二話『藪の中』の映画監督にひどく共感する私としては、これ以上無いってぐらいのヒロインの演出でもあります。このマゾヒスティックな傷の良さは伝わらない気もしますが。
ってかさ、ヒロインの言葉。 と、手紙の締め。
何が○○なんでしょうかね? そう考えると、「辛くない?」って事なんじゃん?
それって、私は○○だよ。 って言ってるって事で、実は大して、って感じ?
それが実は最終話にひびいてたり、はちょっと勘ぐりすぎだと思うけど。
何となく、結末に腹立つから、自分を納得させるような現実逃避。
あれ、アベノ橋商店街みたいなエンディングは好きなんだけどな。
ああいう風に強引に持ってくぐらいのサスペンス力をプリーズ。
しかし、転校は嫌だよね。
小学校の時、仲の良かった(それを恋と感じられない左脳未発達な私)女の子が転校しました。
私の話です。 本当に仲が良かったんです。 一緒に帰りましたし、家にも遊び行きます。
小学生らしく、付き合ってる、と冷やかされた事もありました。
しかし、元々彼女は親が転勤族であるため、出会いもすれば別れる事もあるのでした。
冷やかされると、逆に一歩が踏み出せなくなる、そんなものですよね。
そのまま、そう、そのまま関係は終わりました。
主題歌の山崎まさよし「One more time, One more chance」。
主題歌で、エンディング曲ではありませんね。
曲名からして、そうなるんだろうなー、的に話を予想していましたが。 が、ですね。
「ミッション・インポッシブル」だとか、「模倣犯」だとかいう反面教師なタイトル。
あと、曲が流れるシーン、映像を歌詞に合わせ過ぎ。 やり過ぎな感バリバリ。
第二話のお姉ちゃんが好きです。 結婚してください。
新海誠の話は、ツンデレが登場しないのが非常に好感が持てますね。
ただ、意味不明に主人公がモテるのは気に食わない感じですが。
人生には、欲しい物と要らない物がありますが。
そんな物、どっちにしたって、結局死ぬ人生、大して意味も無いもんですが。
それでもどうしてこんなに胸を焦がすんでしょう。
いくら割り切ろうとした所で、一向に剥がれようとしない望み。
だけど、手に入れた所で満たされるんでしょうか。 それで終わるんでしょうか。
例え死ぬとしても、それまでは何も終わらない。 手に入れた物なんて用済み。
むしろ、それを手に入れてない人のほうが、それの大事さを知ってるのかもしれない。
何も手にしていない私だからこそ、全てを、未だに愛おしんでいるんです。
職も手にしてませんがね。
でも、無職に転勤は無いんだぜっ! 悲しい思いはさせないぜベイビー。
映画館から大学の駐車場まで帰る道すがら。
肌寒いのでポケットに手を入れて、上に書いてきたような事を色々考えていた。
車の所に着いた頃には、不必要なくらい手は温まっていた。
それでも何か、満たされないようなこの気持ちは何なんだろう。
好きな人と離れ離れ。 そんな悲しみを人に味あわせる事が辛い。
だったら、自分だけでいい。 悲しいのは自分だけでいい。
マゾヒスティックなのは、自分のためじゃない。 そんな気がする。
べ、べつに自分が就職受かる事で誰かが落ちるなら自分は就活しない、っていう無職の言い訳じゃないんだからねっ!
雲の向こう、よりは割と好きな雰囲気の映画でした。
見たい人は、大急ぎで映画館へ。 残りわずか。