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零私記

狼逃苦肉の策でブログになった

殺人 -俺のポテンシャルギャップを越えてゆけ-

男1 「だから、理由なんて無いですよ。殺したいとかそんな感じでもなかったですし。やらなきゃいけないかな、やるのが当然かな、って雰囲気だったんすよ。強迫観念とかでもなく、いや、食欲とか睡眠欲まで強迫観念によるものとか言い出されると、否定はできないかもしんないんすけどね。兎に角、何も無かったんですよ。あれっすよね、そうやって理由を聞き出すのは法的に裁けないからなんですよね。理由無しでは人を殺すわけが無いっていう。あれかな、理由も無く人を殺せるような人が怖いだけ? ちゃんと理由があったほうが人らしくて落ち着けるってだけなんじゃないですかね。仕方ないっすか、皆、当たり前に恨みとかで誰かを殺したいって思うもんですもんね。そりゃ十分な理由があれば納得もできますよね。まぁ、人殺しといて人らしいってのも変ですけど。いや、殺した俺が言うのも何ですね。でも、それって逆にどうなんすかね。殺人の理由を問うってのは、殺したいと思うのは当然って事、暗に仄めかしてる状態っすよね。そっちの人たちって裁かれないんすか? 理由もあるし、何か共謀罪とか適用されないんすか? 不公平っすよね、俺よりそっちのほうが腹黒いっすもん。ね、どうすか、刑事さん」
男2 「長々とご高説痛み入るが、君の考えには2つ間違いがあるな。殺しには必ず理由が伴う。何故なら殺せば罪に問われるからだ、重い罪にだ」
男1 「重い積荷だ? トラック輸送すか?」
男2 「茶化すな。殺人罪ともなれば人生にかなりの支障をきたす。だから、それに見合うだけの利益が必要になる。得が無いように見えても、そこまで殺そうと思いつめるだけの理由があり、そこからの開放を求めているわけだ。心理的利益だな。つまり、理由は必ず存在する。ついでに、殺しの理由を聞くのは君が考えた通りだろう。我々は安心したいのだ。あとは裁判官への心証だな。理由によっては刑が上下する。法律上、殺人の理由は問題にならない。殺せば罪だ。わかったか」
男1 「はぁ。まぁ、最初から諦めてましたけどね。精神疾患か事故に完全に偽装でもしない限り、殺しといて捕まらないわけないっすもんね。そこまでは了承です。でも、刑事さん。理由がはっきりしてない以上、刑事さんは不安なままですよね」
男2 「まぁ、そうだな。これは不可解だ。だが、私情と仕事は別だ。きっちり対応はする」
男1 「そうですか、残念。もっとこうリアクション良いほうが良かったんすけどね」
男2 「あぁ、それとな。君は知らないようだから言っておくが、遺体の身元だ。周辺の聞き込みからわかったが、あれは君の、生き別れの双子だ」
男1 「え、兄さんっ!?
男2 「彼は大量の借金をしていてな。ここからは推測だが、もしかしたらそれで死にたがっていたのかもしれない。そして、双子である君は無意識で彼を殺した。まぁ、双子の何とやら、というヤツなのかもしれんな。理由が無いと言っていたのは、そう考えれば一応は納得できるが、にわかに信じがたい。不可解だ」
男1 「ど、どうしてこんな事に…。刑事さん、わかってたならもっと早く言ってよっ!」
男2 「それと、間違いの2つ目だ」
男1 「え?」
男2 「私は刑事さんじゃない。金融事務所の者だ
男1 「…は?
男2 「俗に言う借金取りだな。彼が殺されてしまったもんだから、慌てて身辺調べていた所だ」
男1 「だってさっき仕事って言ったじゃないですか。それにどうして俺を拘束してるんですかっ」
男2 「そう、仕事だ。何せ、君は彼の肉親なのだから。わかるな、お兄さんは借金があったんだ。ご両親が既に亡くなっている事は知っている。今の所、彼に繋がりがあるのは君だけだ。という事で、貸した物を返して貰いに来たわけなんだ。逃げられると色々と困ってね、まぁ、こんな状況は勘弁してくれ。それじゃあ、ゆっくりお話を聞きましょうか、ねぇ、弟さん」
男1 「兄さぁーんっ!!




 何か殺人ネタばっかり書いてるような気がしますが、その通りでしょう。
何せ、もし私が小説家になったら、人が絶対に死なないミステリを書く、と誓っています。
現状と矛盾していますが、その分熟考しているととらえて下さい。 勝手ですが。
ってか偉そうな事書く前に、法律・哲学・宗教、それぞれから殺人について調べるべきですが、
そんな事私がするわけがありません。考えて、わからなければ放っておく、それが私の流儀。
それでも大学院生やってます。落第生ですが。えぇ、教授にはご迷惑をおかけしています。

あ、で、内容は。
毎回言ってる殺す理由、って物は、実際どうでも良いんじゃねーか、と思い直した。
で、それを軸にそん時の気分で話を思いつくままに書いた。
理由が無い無いと言っておきながら、実は知らない所で理由はあった、みたいな。
だとすると、無意識下で相手と繋がっている必要があって、だから双子。無理矢理。
んで、いつの間にか加害者が被害者になってる意外性は面白いかもなぁ、な結末。
男2について、行動・言動に矛盾が無いように微妙に言葉を濁しつつ、な展開です。
男2が刑法について本来なら詳しく語るべきですが、語れないから語っていないわけです。
私が刑法を知らないから、って事を上手くカバーできている、ような?
何となく、男1がもっと上手く状況にツッコミを入れられれば、面白くなったんでしょうね。

ちなみに、これを書くキッカケになったメモ書きは、たったこれだけである。
「殺す理由がなければ殺せない、理由でおもいつめないと殺せない」
話膨らませすぎ。想像豊かだな、私。

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