私は怒っていた。
そう、この時ばかりは、いくら温厚な私でも、拳を振り上げずにはいられない。
見えない敵に立ち向かえとこの手が叫んで仕方が無い。
普段であれば、教室で起こるイジメのようにそ知らぬふりをするほど優しい私がだ。
巨大で強大、その圧倒的存在感にひれ伏しそうになるヒザに活を入れろ。
禍々しいまでの魔のオーラにうつむく顔を上げろ。
さぁ、今すぐ部屋を出て、そいつの首をへし折ってしまえっ!
お前の前に立ちふさがる、悪の最後を見届けろっ!
「……、まぶしいっ」
そう、私の敵は、夏の太陽だった。
っていう変な事を書くぐらい暑い。 温厚って書いただけで暑い。
しかも、それで風呂掃除とかするから、死ぬ。
さっきまで熱をたたえていたそれが、私の体にまとわりつく。
いや、エロくならないな。 ってか浴槽とか死ぬ。
すんません、クーラーつけます、しかも28度。 やべ、涼っ。